こんにちは。ろんどん。です。
私は今、とある大学の薬学部に在籍しています。
と言うと、
「え、じゃあ薬剤師になるんだ!?」
とよく言われます。笑
でも、結論から言うと、
薬剤師にはなれません。
免許とれません。
実は、薬学部の中で、薬剤師免許を取得する資格を得ることができるのは、6年制の学科のみ。
私が在籍しているのは、6年制の学科ではなく、4年制の学科なんです。
じゃあ、ろんどん。はどういう道に進むの??
その質問に答える前に、私が薬学部の4年制に進んだ経緯をお話ししますね。
高校生の時、私は消化器系の難病に侵されてしまい、入退院を繰り返していました。
最初は、一般の病院で使われている、生物製剤をはじめとする西洋薬で治療をしていたのですが、副作用も多く(細かい経緯は書きませんが)、体調は悪くなっていくばかりでした。
そんなときに、大阪のとある病院の存在を知ることになります。
その病院は、抗菌薬・抗ウイルス剤を除いて、一切の西洋薬を使わず、鍼灸と漢方薬を中心に難病を治療していくという方針でした。
今までの治療を捨てて、全く新しい治療に踏み切るのは勇気がいりましたが、毎日漢方薬を飲んで、鍼灸に通う生活が始まりました。
最初こそ、襲ってくるリバウンドに苦しんで辛い日々も続きましたが、最終的には、一年かからずに、病気になる前と変わらない生活を送れるようになったのです。
治療中、頑張って毎日飲んでいた漢方薬。
私の難病を治癒へと導き、救ってくれた漢方薬。
未だに、漢方薬がなぜ病気を治すことができるのかということは、分かっておらず、私は虜になってしまったのです。
どんな物質が含まれているんだろう。
どういう風に体に作用しているんだろう。
どうして先人はこの生薬を使い始めたんだろう。
そういう研究ができたら…と考え始めるとワクワクして仕方ありませんでした。
その上、私は元々化学が好きで、大学に入っても、ずっと学んでいきたいなぁと思っていました。
そうなると、薬学部。
でも私は、薬剤師になる気はほぼ無かったので(学力も足りなかったので)
4年制でいいかぁ~という感じで、今に至ります。
やっぱり好きな学問を勉強するのは、楽しいですね。
一年生の一般教養のつまらなさが嘘みたい。
4年制の薬学部生のほとんどは、大学院に進学します。
修士を卒業してからは、博士課程に進んだり、そのまま研究職についたり。
もちろん、製薬会社の研究職が圧倒的に多いです。
ろんどん。も進路のことをいろいろと考え始めました。
すると、口を衝いて出た言葉は、
薬は作りたくない!!
でした。笑
高校生の時の闘病生活から、免疫抑制剤をはじめとする西洋薬に苦しめられた私。
身体のシグナルと向き合うことをせず、その場しのぎで使われるような薬剤を作りたくありませんでした。
しかしかといって、ずっと昔に確立された漢方薬を、今新たに生み出すことはほぼ不可能。
どうしたものかと考えていた時に、ふと浮かんだものがありました。
二年前、彼女と付き合い始めてから、よく足を運ぶようになったコスメショップ。
その中でも、彼女が好きなブランドが、北海道が本社の shiro 。
(https://shiro-shiro.jp/から引用)
酒粕やショウガ、ふきなどの天然素材を使った、ナチュラルコスメを展開しています。
shiroのブランドコンセプトは、以下の通り。
厳しい自然が育んだ、素材の力を最大限に引き出すこと。
世界中から見つけ出した、最高の素材を惜しみなく贅沢に。
余計なものをできるだけ入れずに作る。
それが私たちの信念。
(https://shiro-shiro.jp/ext/about_shiro.htmlより引用)
めちゃくちゃカッコいい。素敵すぎる。
彼女は、一生懸命バイトして貯めたお金で、そんなshiroの製品を買って、毎日うれしそうに使っているんです。
この植物のこういう性質、コスメに使えるんじゃないか??
もっと肌にやさしい製品を作れるんじゃないか??
そんな気持ちで、研究を重ねて生み出された製品が、お客様の手元に渡る。
私もそのお客様を間近で見ていて、すごくいいなぁと思ったんです。
もちろん、研究は苦悩の連続なのだろうけど、shiroのような会社で仕事が出来るなら、とても楽しいだろうなぁと思います。
***
私は『薬学』という学問が好きです。
興味深いし、学んでいてとても楽しい。
でも、『製薬』を仕事にしたくはないと思ったんです。
別になくてもいいけど、あったら素敵なもの。
私はそんなものをつくる仕事がしたい。
そこに、私が専攻した薬学を絡められるなら、こんな幸せなことはありません。
「学びたいこと」と「仕事にしたいこと」って必ずしもドンピシャってわけじゃない。
ドンピシャだとしても、その後どうなるかなんて分からない。
だから、その時々の『やってみたい』っていう気持ちを大切に。
別に方向がガラッと変わったっていいじゃん。
一つの体系化された学問を学ぶことって、たぶんすごいこと。
人生の中での一つの経験として、すごく価値のあること。
だから、それがキャリアに繋がったら儲けものぐらいの気持ちで、
大学で学ぼうとする人が増えたらいいなぁ、と思いました。
私もいろいろと書いたけど、考えが変わるかもしれない。
でもそれでもいいや。
自分がおもしろい、と思える方へ進んでいきたいですね。
それでは。